キュンキュンするCM
90年代に話題を集めた、JR東海のコマーシャル「クリスマスエクスプレス」。ご存知でしょうか。深津絵里さん、牧瀬里穂さん、吉本多香美さんなど、名だたる女優さんが出演したCM。東京→新大阪の新幹線最終便とクリスマス、そこにある遠距離恋愛のカップルのストーリーを描いていて、CM曲は山下達郎さんの「クリスマスイブ」。このCMが世間に与えた影響は絶大で、恋人たちがこぞって「エクスプレス」な時間を過ごしたそうです。
「帰ってくるあなたが最高のプレゼント」(88年)
「ジングルベルを鳴らすのは帰ってくるあなたです」(89年)
「どうしてもあなたに会いたい夜があります」(90年)
「あなたが会いたい人も、きっとあなたに会いたい」(91年)
「会えなかった時間を今夜取り戻したいのです」(92年)
「何世紀になっても会おうね」(00年)
僕が好きなのは、これらキャッチフレーズ。きゅんきゅんしますよね(笑)。誰に会いに行くわけでもなく、新幹線に乗りたくなります。とにかく、新幹線に乗って山下達郎を聞きたいわけです。妻に言ったら「は?」と言われますが、本気です。ただし、JR九州ですが。
手がけたのはCM界では知らない人はいない、プランナー・三浦武彦さん、ディレクター・早川和良さん。お二人はJR東海のエクスプレスシリーズだけでなく、たくさんのCMを世に送り出していて、どれも長く記憶に残るCMとして、今でも話題に上がるほど。日常の暮らしの中にあるストーリー・ドラマに着目し、そのドラマの中にある感動ポイントを短時間で伝える映像、音楽、言葉が、おそろしく強烈です。三浦さんは「大事なのは等身大の共感」と仰っていますが、15秒や30秒のCMで日常にある共感できるストーリーを描き、人々の心を動かすという凄技はなかなか真似できるものではありません。
そんな、ストーリー性のあるCMは、ここ数年でテレビに限らず、ウェブでも多様化を見せていて、たまに泣いちゃう・笑っちゃうコンテンツにも出会います。そして、「おぉ、なるほど、そうくるか!やられた〜」と勝手に悔しがっているわけです(笑)。僕もいつかは、ストーリーコマーシャルのエッセンスを活かした、心に響くクリエイティブに関われたら幸せだなぁ〜なんて思いながら、小さいながらも、キッカケになりそうな種を日々の仕事のなかで蒔いています(笑)。見る人の口元がゆるんじゃうような、ニヤッとしちゃうような宣伝や販促を仕掛けたい方、募集中です。
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